【しあわせ音楽ライフ】練習できない自分を認める #001

今回から「しあわせ音楽ライフ~すべての楽器愛好家が趣味で幸せになるためのメソッド」というシリーズの投稿をはじめたいと思います。
第一回目の今日は、練習へのやる気が出ないときに自分を責めない方がいいです、というお話しをしています。

末尾に音声、テキスト文書も掲載しています。お好みのツールでお楽しみください。

ハーモニカ教室でのある生徒さん(ここでは「Aさん」とします)の事例なのですが、お仕事の忙しい時期が続くなどしたことで少し疲労が溜まっておられたようで、練習への意欲がかなり低下されていた時期がありました。当教室では原則として月2回受講していただくシステムを取っているので(※休会制度はあります)、とりあえずレッスンには来られるのですが、ほぼ練習をしない状態で来られるといったことが何度か続いていました。

そのたびに私は、そういう時期もあるものなので、レッスンの時間に練習する気持ちで気軽に来ていただくことと、罪悪感を持たずに「そういう時期もあるさ」と割り切っていただいて大丈夫ですということをお伝えしていました。

Aさんは当教室に10年以上通っておられ、これまで難易度の高い楽曲にも取り組んできておられるのですが、レッスンで取り組む曲をその場ですぐ演奏できる入門者向けのものに変更して、レッスンの時間で仕上げられるようにしていました。

そういった状況が2,3ヶ月続いていたのですが、休まずにレッスンを受講されていること自体が素晴らしいと私は感じていて、1回1回のレッスンの時間を楽しんでいただけるように努めました。

ある日、レッスンに来られると音がとても柔らかくなっておられたのですが、久しぶりに自分から進んでハーモニカの練習ができて、その時間がすごく楽しかったとおっしゃっていました。

4月に開催したミニ発表会にもエントリーされて、曲目も少しアレンジのある楽曲を選ばれたのですが、しっかり譜読みと練習もされて、当日は素晴らしい演奏を聞かせてくださいました。

発表会では演奏後にみなさんから一言ずついただいているのですが、その時に「練習しない自分を認められるようになりました」とおっしゃっていたのがすごく印象的でした。

あるがままの自分を認めるということを、専門的には「自己受容」と言うのですが、これはとても大事なことで、Aさんの場合、思うようにいかない自分自身を認めることで気持ちが楽になって、再びハーモニカを楽しむことができるようになられたのではないかと思います。

私自身も、Aさんが練習せずレッスンに来られていた間、Aさんにとってハーモニカが幸せのツールでなくなったのであれば、残念ですがいつでも辞められたらいいと思っていました。ただ、レッスンに来てくださっている間は、とにかくその時間を楽しんでいただけるように、そのことだけを考えてレッスンをさせていただいていました。

Aさんの場合は再びハーモニカを楽しむことができるようになられましたが、そうでなかった場合は幸せになれる別のツールを探されたらいいと思います。趣味なのでいつでも辞められる、自分でツールを選択できると思っておくことも、大切な要素なのではないかと思います。

以上、今回は、練習ができなくても自分を責めないで認めた方がよいです、というお話しをさせていただきました。少しでも参考にしていただけましたら幸いです。最後まで聴いてくださり、ありがとうございました。