東京研修旅行・その6「ストレートorクロス配列」

今年の東京研修旅行、最後の記事になります(多分)。
田中光栄先生に一度お聞きしてみたかったことに、ストレート配列(ショートストローク)とクロス配列(ロングストローク)はずばりどちらがお勧めかというということがありました。

※ストレート配列、クロス配列の意味がわからない愛好家の方はこちらをご参照ください⇒当ブログ記事「配列(ストローク)について #038」

ご注意!!)配列といってもドレミの並びが違うわけではありません。あくまで、内部構造の違いのみです。

私は数ヶ月前にファビュラスのストレート配列を入手し、現在は両方の配列の機種を所持しています。
ポピュラー系奏者はクロス配列を愛用している人が多いと思うのですが、スライドレバーの押し込みがクロス配列の約半分で済むストレート配列は細かいフレーズが吹きやすく、また、音のつながりもレガートに表現しやすいという利点があります。
ただ、その一方で、画像の通りリードへつながる穴の大きさが小さくなるので、太い音は出しにくくなり、ベンドのかかり具合などもわずかにかかりにくくなるのではないかと思います。

光栄先生は数年前からストレート配列を愛用されているそうで、最初は慣れなかったが練習を続けているうち次第に慣れ、その良さを実感できるようになったというようなことをおっしゃっていました。
慣れるまでにはかなり時間がかかったとのことでした。
パッカー奏法はタングブロック奏法よりも口の中を大きくしにくいので、ストレート配列にすることで太い音が出にくくなるのではないかという心配もあるのですが、先生のお考えとしては、その違いは第三者的にはほとんどわからない程度で、それ以上に利点の方が大きいのではないかとおっしゃっていました。

そういえば、以前クラシック系のハーモニカ友(だいたい想像はつくと思いますが、笑)とファビュラスの試奏をした際に、「ストレート配列の方がいいよ!」と言ってくれていたのを思い出しました。
また、もともと手首に少し不具合を抱えていて動きが良くない私としては、スライドレバーの押し込みが半分で済むということはとても魅力的でもあります。

ただ、15年以上クロス配列を愛用し、技巧より音色をウリ(??)にしている私としては、ストレート配列に持ち替えることはかなり勇気がいります。まだ決断はできないのですが、もうしばらく吹き込んでじっくり検討したいと思いました。