ファビュラス コンサート・レポ

先日の、パレスサイドホテルコンサートでファビュラス(SUZUKI FABULUS F-48C)を吹いてみて感じたことを記したいと思います。
普段ギターやピアノとのデュオ演奏が多いのですが、今回は4名での演奏ということと、ファビュラスの音量の幅を生かしたいということで、今まで以上にダイナミクスを意識しました。
曲の途中から楽器が増えていくというパターンもあったので、最初はピアノ(強弱記号の「弱く」)で、最後はしっかりフォルテ(「強く」)。ファビュラスはこちらの要求にしっかり応えてくれたという印象でした。
1曲目はギターとのデュオだったので、特に冒頭はピアノを心がけました。会場にいらしたお客様が「小さい音もしっかり聞こえていて…」とご感想をくださったので、伝わっていたのかと思います。
あと、ファビュラスは倍音成分が多いのかと思うのですが(あくまで推測)、ある程度広いところで演奏するとより違いがわかるように思いました。これは、9月に700名収容のホールで演奏したときに強く実感しました。

次に、これもお客様からのご感想だったのですが、「ファビュラスの音色、他の楽器との相性も良いように思いました。」とのこと。
実は私も、リハーサルの時に「いい意味で何か違う?!」と感じていたことでした。それが、ファビュラスの倍音成分などの特性によるものなのか、チューニングが今まで使っていた機種の443Hz+10centと違って442Hzなのでまわりとの馴染みがよかったのか、どちらなのかは私にはわかりません。
もし後者だった場合、会場によってはピアノのチューニングがやや高めに設定されている場合もあると聞きます。
今回は問題なかったのだと思うのですが、弦楽器と違ってピッチの調整ができないので、443Hzの楽器も常備しないといけないのかなぁ??などいろいろ思うところはあります。
今後じっくりと考えていきたい案件です。

また、以前にも少し記しましたが、ファビュラスには遊びがほとんどなく気密性がとても高いです。
遊びから生み出される音楽もあってよいと思いますが(聴く分にはこちらも好み!)、演奏する立場としての私の好みは、口の中での微妙な調整を余すことなくリードに伝えたいので、気密性は高いほどありがたいです。
完全に好みの世界なのですが、私にはそれがとても心地よく、ストレスなく演奏することができました。

最後に、以前の記事に「最近よく”鳴ってきた”ファビュラス」と記しましたが、購入当初より明らかによく”鳴る”ようになってきました。
あるクラシック系の大先生が、ご自身の楽器(シルバーコンチェルト)を「十数年間育ててきた…」という表現をされていたという話を聞いたことがありました。
シルバーコンチェルトもファビュラスも、ともにボディは樹脂製ではなく、前者はシルバー、後者は真鍮なので、共通するところなのでしょうか?!
今まで使っていた樹脂製モデルでも、吹いているうちにリードがこなれてくる感覚はありましたが、全体の鳴りが変わってくるという実感を持ったことはありませんでした。これもファビュラスの特徴の一つなのかもしれません。

以上、コンサートでファビュラスを吹いてみて感じたことを、お客様の感想等も交えながら記してみました。