SIRIUSとSuper64

IMG_0374SUZIKIのSIRIUS S-56C(14穴ロングスケールモデル)を入手して2週間、この楽器で基礎練習を行い、そして2曲を録音し終えました。
この13年間ほぼ浮気?!なしでHOHNERのSuper64(シルバー)をずっと使い続けているので、正直まだまだ新しい楽器には慣れませんが、現段階で私が感じたことを2者の比較という観点で記してみたいと思います。
あくまで、一愛好家として個人的な意見ということで記しますので、あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。


シリウスを吹いてみて感じたこと。

1.作りがとても丁寧で製品の差がほとんどない
 つくりが丁寧というのは工場見学でもよくわかりましたが、それを考慮せずとも吹けばわかる!という感じでした。また、私の場合立場上生徒さんが購入されたものを持参されてチェックを
依頼されることも多々あり、シリウスについても12穴、16穴モデルも含めて少なくとも5台以上は試奏しています。製品のばらつきの少なさには正直驚いていました。

2.マウスピースが滑らか
 工場見学のときの記事にも記しましたが、発売後も改良を重ねておられ、発売直後よりさらに滑らかになっているようです。あと、人によってはマウスピース自体の丸みを帯びた形状がとても吹きやすく感じるようです。

3.音が太く、厚みがある
 全体的に音に厚みがあります。特に、高音でも音が細くなりにくいのがとても気に入りました。
また、普段録音のときにイコライザで特定の周波数の音をかなりピンポイントで2箇所ほど削っているのですが、シリウスの場合それをあまりしなくても音がまとまってくれています。あとでシリウスの特設ページに同じような解説が載っていてなるほどと思いました。
シリウスで録ると、ハーモニカの音作り(エフェクトをかける)に時間をかけなくても思い通りの音が得られるのでありがたかったです。

4.スライドレバーの動きが滑らか
 レバーの動きが滑らかです。カチャカチャ音もしないので、録音のときにもとても助かります。ちなみに、そのままでも十分使えるのですが、私の場合はレバーをさらに柔らかく、漆ハーモニカと同等にカスタマイズして使っています。

5.チューニングが違う
 HOHNERの製品とチューニングが違うというのは有名な話かと思います。442Hzとの噂?!でしたが、443Hzを基準に計ってみるとだいたい10セントほど低いようでした。
分解し、443Hzから5~10セント高い状態にチューニングし直しました。
いろいろ吹いたりしながら作業していたら3時間くらいかかってしまってけっこう疲れました。
でもそのおかげで、中身も含めてシリウスのことをだいぶ知ることができたように思います。

6.レスポンス
 音が太い故なのか、私が慣れていないだけなのか、レスポンスが遅いように感じます。
細かいフレーズをいつものように吹こうとすると、普段なら難なく吹くことのできるフレーズでも、粒立ちが悪くなったり音が飛んでしまったりしてしまいます。慣れや吹き方の問題もあるのかもしれませんが、私にとっては唯一最大の欠点という感じです。
音は太く厚みも十分ある機種なので、細かいフレーズに強いショートスケール(ストレート配列)のモデルにすれば解決するのでしょうか。この音色は本当に魅力的なので、なんとかこの問題を解決してイチバンの愛用機種にしたいと切に願っています。

それにしても、新しい楽器に出会うことがこんなにたいへんなこととは思ってもいませんでした。
私は13年間ほぼ同機種を使い続けてきたので、製品の差は多少あるもののメーカと機種が違う楽器としっかり向き合った経験はほぼ皆無でした。
リード1枚1枚に対するアプローチが今までとまるで違うので、最初すごく戸惑いましたし未だ慣れません。
ついつい、今までの楽器にあるもの全てを求めてしまいそうになるのですが、それは、人に例えるとしたら元彼の全てを新しい彼氏に求めるようなものですよね、、。
Super64もこれまでどおり愛用していくつもりですが、シリウスとは新しい恋人としてこれから付き合っていきたいと思います。相手は人間ではないので、ふたまたもありかと・・・(笑)。

以上、シリウスを使ってみての感想でした。
以前投稿した、シリウスで演奏した音源を再掲しておきます。まだ慣れない感がありますが、克服していきたいと思います。


前の記事

「小雨降る径」

次の記事

頬はペコペコするか?!