スピーカーの補正って?

近年、DTM(コンピュータを使用した音楽制作)界隈で話題になっているスピーカーの補正ですが、どういうことかご存知でしょうか?
モニタースピーカーが設置されている部屋の環境により、耳に届く音は偏った特性を持ってしまいます。
部屋の形に対してスピーカーが左右対称に置かれていなかったり、室内に配置されている家具や物などから様々な影響を受け、フラットではない音を私たちはモニタリングしています。
そのような状態で録音した音の編集やミキシングの作業を行うと、仕上がりに大きな影響が出てしまいます。
これを解決するため、スピーカーから出力される音を補正できるツールが販売されており、私が知る限りでは大きく分けて2種類のものがあります。

①キャリブレーション・ソフト

パソコンのソフトを用い、専用のマイクで測定を行うことで部屋の音響特性を分析し、スピーカーをキャリブレーションするものです。
以前動画で紹介しているので、興味のある方はご視聴ください。

現在は、後継の「SoundID Reference」が発売されています。

サウンドハウス⇒Sonarworks ( ソナーワークス ) / SoundID Reference for Speakers & Headphones with Measurement

②スピーカー本体が補正に対応しているもの

こちらのタイプは、最近自宅音楽室に導入しました。スピーカー専用の測定キットで部屋の音響測定を分析し、結果をスピーカー本体へ直接送信するというものです。GENELECのGLMシステムが有名だと思います。

①は毎回ソフトを立ち上げる必要がありますが、こちらは測定の時のみ専用のソフトを使用するものの、補正の情報はスピーカー本体に保存されるので、パソコンに負荷をかけることなく補正をすることができます。使用する度にソフトやプラグイン(音楽制作ソフト内で使用する場合)を立ち上げる必要もありません。

私は①を使用した後、スピーカーを新調した際に②に移行しました。
いずれも、適用前後ではかなり音が変わりました。
プロの作曲家やDTMをされるミュージシャンで導入される方が増えているようです。私はYouTubeなどで音楽を聴くときに、膨らんだ中低音域が抑えられて聞きやすくなりとても満足しています。

いずれも少々お値段は張りますが、興味のある方は導入を検討されてみてはいかがでしょうか?