メトロノームの設定を工夫する

先日のレッスンでのこと。
ある生徒さんが、練習中の曲の一部が上手く演奏できないとおっしゃっていました。
該当の箇所は1小節だったのですが、聞かせていただくとその前の小節でわずかなリズムの乱れがあり、そのまま該当の箇所へ進んでしまっているように感じました。
そして、該当の箇所も演奏されているテンポでは技術的についていくのが厳しい状況でもありました。

まずは該当の箇所を安定して演奏できるテンポまで落として演奏していただき(元のテンポがBPM=140のところ120に変更)、穴番号の移動が正確にできているか確認しながら練習。
粒を揃えて演奏できたら、テンポを5ずつ上げて元のテンポに近づけていきます。
このとき、リズムをより正確に演奏できるよう、楽曲の曲調に合わせてメトロノームをキコ(四分音符と八分音符で鳴らす)に設定しました。
元のテンポに近い速さで安定して演奏できたら、今度は前の小節から通して演奏する練習をします。
前の小節はリズムの乱れがあったので、メトロノームの音(キコ)にしっかり合わせながら演奏するように気をつけていただきました(状況によっては、先ほどと同じようにテンポを落として個別に練習した方がよい場合もあると思います)。

しばらく練習していただくと、正しいリズムで音の粒も揃った状態で演奏できるようになってこられました。
ここで、メトロノームの設定をキ(四分音符のみ鳴らす)に戻しましたが、キコのときと変わらず安定して演奏できておられました。

お一人で練習されていたときはなかなか上手く演奏できなかったらしいのですが、レッスンでは15分ほどでしっかり演奏ができるようになられ、とても喜んでおられました。
メトロノームの設定を工夫することで、効果的に練習をすることができるという一例でした。参考にしていただけましたら幸いです。

(メトロノームの設定については、曲調やその時の演奏の状況によって変わります。客観的な視点で見極める必要があると思います。)