新しいクロマチックハーモニカ楽しみ方?!
日頃お世話になっているセッションインストラクターの斉藤彰広先生が、たいへん興味深い動画を投稿されていたので紹介したいと思います。
タイトルは「ハーモニカ演奏に曲は本当に必要なのか?」です。1時間近くの長い動画なので要約も書かせていただきました。
※動画の要約については、あくまで私が理解した範囲でのものとなります。予めご了承ください。
斉藤先生と一緒に出演されているのは、某楽器メーカでハーモニカを作るお仕事をされている垣渕昭宏さんです。垣渕さんともリアルでお会いし、たいへんお世話になっています。
前半はトークで、斉藤先生が垣渕さんに作り手の立場としてのハーモニカの魅力や展望などについて質問される対話形式で進められています。
後半は、二人でアドリブセッションの実践をされています。斉藤先生は最近クロマチックハーモニカをはじめられたそうです。
初心者の方でもすぐに試すことのできる内容で、お二人とも楽しそうにされているのが印象的です。
動画の要約
クロマチックハーモニカの現在と展望
- 国内のユーザ層は団塊の世代が多いが、アジア圏では現在も学校教育でハーモニカを取り入れている国が多い。日本でも若い世代に知ってもらうきっかけが欲しい。
- 同じ吹奏楽器(サックス、トランペットなど)や、弦楽器、鍵盤楽器に比べると価格帯が低く導入しやすい。
- 吹き吸いがあり、歌の感覚で演奏できるため、弦楽器、鍵盤楽器プレイヤーのサブ楽器としてもよいのではないか。
クロマチックハーモニカの魅力と課題
- 吹き吸いがあるため、歌う感覚で演奏できる。歌心が表現しやすい。
- 意図的に吹き吸いすることで循環器系が鍛えられる(あまり強くは言えないけれど……、とのこと)。
- 80歳代以上のプロプレイヤーも活躍(楽器が小さいことと、吸いでも音が出るのがポイント?!)。中高年世代からはじめても、長く楽しむことができる。
- 歌は苦手だが楽器ができるようになりたいという人にも向いているのではないか。
- 吹奏楽器の入り口としておすすめ。
- 残念ながら、学校にハーモニカを子どもに教えられる教師がいない。また、鳴らしている音が見えず非効率的であるため、日本の教育現場からは淘汰されてしまった。
クロマチックハーモニカを楽しむのに既存の曲は必要か?
- 即興演奏で楽しんでもよいのでは?
- 曲が吹けなくても楽しめる、特に、初心者の方におすすめしたい。
- ジャズやブルースなどジャンルを絞らず、アドリブで音と音の会話を楽しむ。
- シンプルな音でのやりとりをすることで、音感、リズム感が、楽譜から入るよりも早く身に付けることができる。
いよいよアドリブ実践!(26分頃から)
- C-C-F-Gのコード進行で、ドとレだけでコールアンドレスポンス(相手の音を聴いて反応する)。リズムやベンドで変化を付ける。
- 同じコード進行でド、レ、ミの3音を使う。ミ(3度)の音が入るだけで明るくなることがわかり、音の色彩感が自然に理解できるようになる。
- 楽器初心者でも、難しいフレーズを覚えなくてもアドリブはできる。フレーズを覚えるのは上級者になってからでよい。
- ソラドレミ(ペンタトニック)を使って同じコード進行でアドリブ。
※ドレミソラ、と考えず、ドを真ん中にすることで常にドに戻ることを意識するのがポイント?!(北村注釈) - ダイアトニックスケール(ドレミファソラシド)を使って同じコード進行でアドリブ。
以上、私なりに動画の要約を書かせていただきました。
わずかに私の考えと違う部分もあったのですが(主に前半部分)、大半は同じ意見を私も持っています。
また、ハーモニカを楽しむのに既存の曲が全くいらないとは思わないのですが、選択肢の一つとして既存の曲にとらわれない楽しみ方があっていいように思っています。
当教室でも、希望される方には動画で実践されていたようなレッスンも行っています。
アドリブというと、ジャズやブルースを連想する方が多いですが、それらに親しみのなかった方が取り組むにはハードルが高いです(斉藤先生がおっしゃるように、好きな方は問題ないと思いますが)。
ジャンルに関係なく、シンプルな音と音との会話で、初心者の方でも楽しみながらリズム感や音感を身につけることができるのではないかと思います。
とても興味深い動画だったので、こちらで取り上げさせていただくことにしました。
受講生の方で興味のある方は是非お気軽にご相談ください。
※画像は、以前斉藤先生にアドバイスいただいて開催した、当教室主催のアドリブセッションイベントの様子です。