続・私はアドリブができるようになりますか?

前回記事「私はアドリブができるようになりますか?」の続編になります。
ここでは、私が実践したアドリブの練習について、時間の経過とともに記したいと思います。
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私は25歳でクロマチックハーモニカに出会うまで、楽器を習った経験がありませんでした。
アドリブができるようになりたいなぁと思い、右も左もわからないまま練習をはじめたのは31歳の時、ちょうど娘を妊娠していて臨月も近づいた頃でした。
それまでに、ある程度音楽理論は身につけていて、「音楽理論ワークブック」という本を半分くらい進めて、だいたいのコードの構成音が理解できるくらいにまではなっていました。

とりあえず、ブルースから??

ブルースのコード進行で、ペンタトニックスケール(キーCの場合、ドレミソラ)やブルーノートの音(ミ♭)を使って即興演奏をする練習を始めました。
難しいキーではできないので(それは今でも…)、CやGくらいだったと思いますが、鳴っているコードはまずは気にせず、とにかくこれらの音を使って音の配置やリズムを工夫して即興で演奏するという練習をしました。
少し慣れてから、メジャー系とマイナー系のブルーススケールを、コード毎に使い分けるというような練習もしていたと思います。
何とか出産までに、一音も出せない状態からは脱することができました。

Amの「枯葉」で描き譜作成

幸い、早い段階で子どもを保育園に預けることができたので、徳永教室に週1回通うことにしました。
先生から出された課題は、キーAmの「枯葉」(本来はGmであることがほとんど)のコード進行で、アドリブフレーズを1日1コーラス(32小節)作成するというものでした。
ブルースの時とは違い、今度はコードをしっかり意識した上でフレーズを構築する練習です。
ブルースの練習のときからお世話になっていた、Band in a box(自動伴奏作成ソフト、記譜機能もあり)を使い、パソコン上で記譜していきます。
Band in a boxでは、記譜したメロディとコードがすぐ再生できるのでありがたかったです。
(ピアノなど経験のある方は、すぐ鍵盤で再現したり、もしくは頭の中で鳴ったりするのかもしれませんが、それが一切出来ないので文明の利器?!で補います。Realbなど、伴奏が流れるアプリはありますが、ハーモニカ以外の楽器ができず音や和音がイメージしにくい私には、記譜機能もあるものでないとダメでした。)

記事を書きながら思いだしたのですが、最初は真っ白のところにいきなり譜を描くのではなく、先生が各小節のコード構成音のうち1,2音を適当に選んで白玉(二分音符や全音符)で記譜してくださり、その音を土台にして、前後に音やリズムの変化を加えてメロディを作っていくというところからスタートしたと思います。(画像参照)

1週間分の課題を携えレッスンへ

レッスンに行くと、1週間分(7コーラス)の描き譜を先生にチェックしていただきます。
要所要所でなぜこの音を使うのかと質問をされるので、コードに対して何度の音、もしくはブルースフィーリングだったり経過音、刺繍音だったり、ということを答えながら、音楽理論の知識を深めていきます。
また、先生からもっとセンスの良い音やフレーズに修正していただいたり、お勧めのフレーズを教えていただいたりもしました。
それと同時に、少ない音でのアドリブの実践も行いました。

慣れてきたら、ステップアップ

Amの「枯葉」に慣れてくると、今度は「Fly me to the moon」をCやFで、そしてGmの「枯葉」でフレーズを描きました。
そして、課題は徐々に実践的内容へと変化し、最終的には描き譜はなくなって先生とのアドリブまわし(つまり、実践のみ)になっていたと思います。
そして、実践をしながら、間違った音を指摘していただいたり、クロマチックハーモニカの特性を生かしたフレージング(スライドレバーを上手く使ったり、マウスピースの上を滑るように動いて鳴らすフレーズなど)も教えていただきました。

部分転調への対応

全て初心者向けではありましたが、いろんな曲にチャレンジするようになりました。
ジャズスタンダード曲の多くには部分転調というものがあり、調号の変更はないままに一部の箇所だけ転調したようなコード進行になっていることがあります(だいたいは、別のキーのⅡⅤⅠと呼ばれるコード進行)。
そのような箇所を解説していただき、赤ペンで該当箇所に部分転調した調号を描いていただき、その部分だけ頭の中でキーを切り替えてアドリブをします。
今は、何のキーに部分転調するのかさえわかれば対応できることの方が多くなっているのですが、最初のうちはなかなか頭を切り替えることが出来ず大きな壁でした。

ジャズ理論にはまだまだ弱いので、今でも中級、上級者向けのスタンダード曲は先生に部分転調を含めたコードの解説をしてもらうことがあり、とても勉強になっています。

いよいよ、セッションの現場へ

子どもが大きくなり仕事が忙しくなったことで、大阪まで通う時間がなかなか取れなくなってきました。
その頃、偶然スタジオ近くのジャズ教室を見つけて入会し、そこでお世話になった先生がホストを務めておられたセッションに通うようになりました。
子どもが小学校に上がるまで、約2年間子連れで毎月セッションに参加しました。当時、子どもを預かってくださったお店のママさんには本当に感謝です。
そこで、セッションにおけるルールやマナーを学び、また、まだまだ未熟ではありますが、咄嗟の出来事に反応して対応できる力を身につけることができました。

その後・・・

子どもが小学校に入ってからは長らくセッションを諦めていましたが、ちょうど1年前に子どもが塾に通い出したのをきっかけに再開することにしました。幸い、家から通いやすい場所に新しいお店を発見することが出来ました。

日程の都合でヴォーカルセッションに行くことが多いのですが、ヴォーカルの方のサポートとして、2コーラス目でソロを演奏するという役割をいただくことが多くなりました。
ほぼ知らない曲を、1コーラス目で曲調とコードを確認して2コーラス目でソロを演奏するという実践は、毎回ヒヤヒヤして生きた心地がしませんがとても勉強になっています。
理屈のわからないコードは、コードトーンか休符で乗り切るという技(?!)を覚えました。
エンディングは、最後のコードのルート音から半音ずつ2つ上に上がって伸ばして終わると収まりが良いと言うことも知りました(Cの場合は、ドド#レ)。

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私の場合、前回記事での3つの条件による「土台」があった上で(と言っても、「低」の方が多い…)、ある程度自分自身に合った適切な練習ができたのではないかと思います。
あと、思い返してみれば、ハーモニカ初心者の頃からスケール練習を徹底的に行ってよく覚えていたのもかなり役立っているように感じています。
ただ、これについては、条件1が高い方(幼少期の音楽経験あり)や、ある程度スケールを形で覚えることの出来る楽器の奏者には当てはまらないかもしれません。

クロマチックハーモニカは、私のように幼少期の音楽経験がなく大人になってからはじめられる方も多いと思います。
その中に、アドリブに対する興味を持っておられる方も少なからずいらっしゃると思うので、少しでも参考になればと思って記してみました。
少し専門的な用語も出てきており簡単な解説を入れていますが、わからない用語についてはご自身で調べてくださいますようお願いいたします。
(受講生の方はレッスン時にお尋ねください。)
 
何度も言いますが、私もまだまだアドリブの技量は未熟ですので、その点はご容赦ください、、。
また、上記はあくまで私個人の見解です。これを参考にしながら、ご自身にあった練習やアプローチの方法を見つけていただければ幸いです。

注) レッスンに通われている方は、先生のご指導の下で練習に励んでください。独学の方におかれましても、あくまで参考とし、ご自身にあった方法で練習を進めてくださいますよう、お願いいたします。

●徳永延生ハーモニカ教室⇒こちら