続く人、続かない人 その2

以前、「続く人、続かない人」という記事を投稿し、たくさんの方から「いいね」やコメントをいただきました。
前回記事には記していませんでしたが、退会される方のほとんどは、記事には記していなかったようなやむを得ない事情を抱えておられました。
特に、中高年世代ではご家族やご自身の体調不良、ご家族の介護で辞められる方はそれなりにいらっしゃいましたし、若い世代ではやはりお仕事での退会がほとんどです。
ただし、これらにもいくつかのパターンあると私は考えています。
今回は、私が考えている3つのパターンについて記したいと思います。

続けようと思えば続けられる場合

一つめは、続けようと思えば続けられなくもないけれど、ハーモニカ自体がその方にとってそんなに重要な存在ではなかった場合です。
この場合、自宅練習が可能であっても教室を辞めることでハーモニカを吹く機会がなくなり、ほどなくして完全に辞めてしまわれると推測されます。

辞めるときに「情熱がなくなりました」「飽きました」とおっしゃる方はほとんどいらっしゃいません。
自分で決めて始めたものを辞めるということはある程度パワーが必要ですが、理由があれば精神的負担も軽く済み、自責の念に駆られることもありません。
情熱がなくなり、自分で決めたことだからと惰性で続けている状態のところに外的理由ができたとき、それが辞めるきっかけになるのではないかと思っています。
(ただ、何事もはじめてみないと結果はわからないので、もし辞めることになっても、そんなに自分自身を責める必要もないように思いますが、、)

責任感の強い、真面目な性格の人

二つめは、特にご家族の介護などお家の事情が理由の場合で、とても責任感の強い真面目な性格の方です。
「家族は空いた時間でハーモニカを続けてもいいと言ってくれるのですが、家がこんな状況なのに趣味を楽しんでいるのは心苦しいので、、」
 というようなことをおっしゃって退会された方がこれまで数名いらっしゃいます。
このタイプの方々は練習熱心で上達もされている場合がほとんどなので、こちらとしても本当に辛いですが、どうすることもできないというのが実情です。
でも、お家でときどき楽しんでくださっている方もいらっしゃると思うので、そうであることを願うばかりです。

体力的、時間的に完全に不可能になった

三つめは、中高年の方であればご病気など、若い方はお仕事などで一つめよりも状況が厳しく、継続が完全に不可能になってしまう場合です。
これらの問題が発生するまでに、ハーモニカが生活の一部になり情熱が育まれていれば、問題が解決したあとに再開することができるはずです。そうでない場合、時間の経過とともにハーモニカのことを忘れ、結局は一つめのパターンになってしまいます。

以前記したかと思いますが、人の脳は基本的に楽な方を選択する性質があります。なので、時間が経って考える隙があればあるほど、楽な方(何もやらない)に流されやすくなります。その脳の性質を食い止めることができるのが、ハーモニカへの情熱なのです。
当教室でも、一旦退会された後、状況が改善して戻って来られる方もたくさんいらっしゃり、この仕事をしていて本当にうれしい瞬間でもあります。

趣味を長く楽しむには最初が肝心で、たくさんリサーチする(趣味のことを考える時間が多くなる)、たくさん練習する(音が出せればよいですが、できないときは譜読みや音譜の読み方を学ぶなど)ことで、その趣味が生活の一部となり、やがて情熱になります。
そうなることで、多少の困難があったとしてもそれを乗り越え、楽しみ続けることができるようになります。
これからハーモニカや趣味などはじめられる方のヒントになれば幸いです。