入門テキストはゲーム感覚で楽しむもの

入会間もない初心者のかたの中に、入門テキストを進めている段階で曲の練習がしたいとおっしゃる方が稀にいらっしゃいます。
その場合、状況やご希望を伺った上で個々に対応をするのですが、実は私も初心者の頃に同じ様な経験がありました。

私の場合、基本的には入門テキストの課題を進め、箸休め的に好きな曲の楽譜を買ってきて穴番号を自分で振り個人で楽しんでいました。
ただ、入門テキストを進めている段階では思うように演奏できるはずもなく、穴番号を書いているので音は追えるもののリズムも怪しい状況。
当然のことながら、いくら練習してもカラオケに合わせられるくらいにはなりませんでした。
結局諦めて入門テキストに専念し、テキストが終わってから曲を練習した方が満足のいく演奏ができるということが後になってわかりました。

どのような演奏ができたら満足できるのか、どういう練習であれば続けられるのかということは人それぞれ違うので、よくお聞きしてご本人の納得のいく練習内容や方針で進めるように心がけています。
しっかり音を出してカラオケに合わせて演奏ができたり、各種奏法を用いたり、演奏にレガートさを求められる場合は、ある程度入門テキストをしっかりと進めておいた方が、その後曲練習に移るときにも曲の選択肢が広がると思いますし、完成度も上がると思います。
どうしても入門テキストだけでは辛いという場合は、唱歌など易しい曲を交えながらレッスンすることも可能なので、ご希望を伺いながら進めています。

私も、最初の頃は入門テキストにあまり集中できない時期もありましたが、途中から少しずつ変化してきました。
入門テキストは短いメロディの課題を一つずつこなしていくので、ゲームの様に一つずつクリアしてレベルアップしていくような感覚で楽しめるようになってきました。
比較的短いスパンで自分自身の成長(昨日できなかったことが今日はできた)を感じることのできる貴重な時期でもあると思うので、ゲームのような感覚で楽しんでみられてはいかがでしょうか。
もしどうしても難しい場合は、講師に相談していただければよいかと思います。

注) レッスンに通われている方は、先生のご指導の下で練習に励んでください。独学の方におかれましても、あくまで参考とし、ご自身にあった方法で練習を進めてくださいますよう、お願いいたします。