ファビュラスのお話(演奏編)

前回記事「ファビュラスのお話(メンテナンス編)」の続編です。

10年以上HOHNERのクロモニカ280やSuper64シリーズを愛用してきた私が、SUZUKIのファビュラスに乗り換えて4年近く経ちました。

以前こちらにも記したかと思いますが、ファビュラスはSuper64の豪華版という感じで、音色の傾向は似ていると思います。
(あくまで私見ではありますが、試奏会などで私以外にも同じことをおっしゃっている方が今まで数人いらっしゃいました。)

私は現在、ファビュラス16穴クロス配列モデル(F-64C)、12穴クロス配列モデル(F-48C)、同ストレート配列モデル(F-48S)を所持しています。(F-64Cは生徒さんから譲っていただいたもの)
シリウスやグレゴアモデルにも言えることかもしれませんが、製品ムラがないのはSUZUKI製の特長ではないかと思います。
基本的にSUZUKI製のクロマチックは気密性がどれも高いですが、特にファビュラスは群を抜いていると思います。吹き吸いしたときのレスポンスも非常に良いです。
音色については以前少し記したかと思いますが、とても上品な印象。あくまで私見ですが、シルキーな感じがとても気に入っています。

ただ、その気密性の高さと上品さが、逆に遊びがなくて物足りないと捉えられる方もいらっしゃるかもしれません。
あと、T一門のみなさんはよくご存知の「サブトーン奏法」(スライドレバーを少しだけ押してため息のようなサウンドを作り出す奏法)で得られる音の周波数帯域が、Super64シリーズに比べてかなり高く出るようなので、あまり格好良くなりません。
(おそらく、シリウスやグレゴアのモデルも同様だと思います。興味のある方は試奏などしてご確認ください。)

そして、私が今までHOHNER製も含めてメインで演奏してきた機種のほとんどに言えることですが、3番あたりの音にわずかにビリビリした音が混じって気になったことはありませんか?(両面のバルブを交換しても直らず)
もしかしたら、パッカー奏法でのみ再現性が出るのでしょうか?また、同じ機種でもかなり個体差があるようで原因がよくわからないのですが、たまにとても気になる楽器に出会うことがあります。
ファビュラスに関してはF-48Cはほとんど気にならないレベルなのですが、F-48Sはかなり気になってしまい、録音するとマイクに乗ってしまうレベルです。
HOHNERの機種でもありましたが、F-48Sほどではなかったのでこの点は不満に感じています。

あと、ファビュラスは非常に重たい楽器ですので、その点でも向き不向きが出てくるかもしれません。(ファビュラスの重量 16穴モデル:760g、12穴丸穴モデル:655g)

ファビュラスは高級機種ですが、個人的にはお値段以上の価値があるとてもよい楽器だと思っています。
しかし、ハーモニカに限ったことではありませんが、愛好家のみなさんそれぞれに好みや目指されている方向があると思うので、ご自身にあったものを愛用していただくのが最良かと思います。
高級機種故に持っている人も少ないと思い、今私が感じていることや知ったことを2回に分けて書かせていただきました。
少しでも参考にしていただければ幸いです。

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