易しいビブラート奏法
徳永延生先生のテキスト(「ポピュラークロマチックハーモニカ」)に書かれている腹式ビブラートや複合ビブラートを習得するには、人にもよりますがある程度時間がかかると思います。
早くビブラートを習得されたい生徒さんがいらっしゃるので先生に相談させていただいたところ、テキストに書かれていることとは少し違うけれど…、ということで、最近先生が同じ悩みを持つ生徒さんに教えておられるらしい、手軽に習得することのできるビブラートを教えていただきました。
ひとことで言うとベンドビブラートなのですが、腹筋(腰)での支えが十分でない方でも、舌の動きのコツがわかればすぐに習得可能です。
以前より当教室でも、どうしてもすぐに習得したいという方にお伝えはしていたのですが、普通のベンド奏法自体ができない方も多く、どうしても音色のみの変化になってしまっていました。
今回お聞きしたベンドビブラートは、ベンド奏法があまりできなくても、少しだけ(20sent前後)ベンドがかけられていれば習得可能とのことです。音色の変化については好みもありますが、本人が気にならなければOKということだと思います。
ベンド(ビブラート)をかけるときに、口や顎は動かさずに、舌だけを「ヨシヨシ」と発音するように動かすだけです。
これをある程度の速度ですると、細かなビブラートがかかります。ハーモニカを吹いて試す前に、唇をたこの口にした状態で口を動かさずに舌の動きだけで「ヨシヨシ」と言ってみるとわかりやすいのではないかと思います。
ただし、徳永先生や私たち公認講師等が用いているような立体的なビブラート(複合ビブラート)にはなりませんので、立体的なビブラートができるようになりたい場合は、おそらく腰での支えが必要なので、習得するには相応の練習が必要になってきます。
*複合ビブラート:音量の変化のビブラート(腹式ビブラート)と音程の変化のビブラート(ベンドビブラート)を同時にかける立体的なビブラート。
また、上記の説明でもまったくベンドがかからない(音程が下がらない)場合も、コツをつかむまで少し練習が必要かもしれません。
とは言え、テキストに書かれているビブラートよりはかなり手軽に習得できますし、好みに合うようでしたら是非お試しいただきたいと思います。
あと、特に女性の方に多いのですが、ノンビブラートでの演奏でもすぐに息がしんどくなられる場合、腹式ビブラートをかけると更に息の量が必要になってくるので、かなり厳しいと思います。
ベンドビブラートでしたら、息の消費はノンビブラートのときと同じだと思うので、そういった方にも取り組んでいただきやすいのではないでしょうか。
よろしければ参考になさってください。
注) レッスンに通われている方は、先生のご指導の下で練習に励んでください。独学の方におかれましても、あくまで参考とし、ご自身にあった方法で練習を進めてくださいますよう、お願いいたします。