楽器の命日

20年前の10月31日に、ある大学の交響楽団がBOX(部室、練習室)として使っていた建物で火災がありました。
私はその大学の学生ではなかったのですが、当時は隣にテニスコートがあり、体育会ソフトテニス部の練習に継続して参加させていただいていました。

木造の古い建物でしたが、屋根瓦が横にすーっと伸びた、とても印象的なものでした。
火災のあと、その変わり果てた姿を見て驚きました。人的被害はなかったのだと思うのですが、多数の楽器が被害に遭ってしまったらしく、涙しながら花を手向けておられる部員の姿を見て、とても辛くなったのを今でもよく覚えています。

当時はテニス一筋の私でしたが、その後縁あって音楽と関わるようになり、あの時の部員の方々のお気持ちが当時よりもわかるようになったような気がします。

当時、その様子を一緒に見ていた先輩が、「楽器も仲間と同じやったんやろうね、、」とおっしゃっていたのが印象的でした。
20年前のことで思い出すこともほとんどなくなっていたのですが、DTM(コンピュータ音楽)関連でご縁のあった方がSNSに投稿しておられて気づきました。その方も、あの場にいらしたようです。
あの日の悲しい光景は、今の私に大切なことを教えてくれた気がします。