今朝、徳永先生のブログをいつものように読ませていただくと、クロマチック・ハーモニカのチューニングについて書かれていましたので、私が以前録音していた聴き比べ音源のご紹介をしたいと思います。(該当記事⇒「ハーモニカのピッチについて」徳永先生のブログより)

ご注意!!)この先はかなり専門的な内容となっておりますので、ご自身の判断で読み進めていただきますようお願いいたします。また、内容はあくまで個人的な意見ですので、教室に通われている方は先生のご指導に従っていただき、独学の方におかれましてもあくまで参考としてご自身で判断してくださいますようお願いいたします。
加えて、かなりの長文ですので、お時間に余裕のあるときにお願いします。



(つづき)
音源の紹介、その前にちょっと解説を、、。

まず、日本で販売されているHOHNER社製のSuper64シリーズなどの機種は443Hz+10~15cent(445Hzくらい)にチューニングされていますが、スズキ楽器製のものは基本的にすべて442Hzだそうです。参考までに、ピアノはだいたい442Hz、ギターは440Hzでチューニングされる方が多いのではないかと思います。
この件について、当教室ではアンサンブルをされている方、スズキ楽器製ハーモニカをお持ちの方、チューニングについて理解できる方など、必要と思われる方には個別にお知らせしてきました。

聴き比べ音源というのは、私が同じ曲を443Hz+10centに調整したシリウスS-56Cで吹いたものと、442Hzちょうどで調整された(出荷時のまま)ファビュラスF-48Cで吹いたものをそれぞれYouTubeに投稿したものです。いずれも、スズキ楽器製のクロス配列(ロングストローク)モデルで、シリウスは購入後に私が調整しました。
曲目は「旅人のうた」ですが、選曲に深い意味はありません。録音当時はこのようにブログで紹介するつもりはなかったので、ちょうどそのときに録音していた曲を吹き比べてみただけでした。

「旅人のうた」【一般公開中】 
442Hz(出荷時のまま)のファビュラスF-48C
http://youtu.be/2sNeyJvQN0U?t=28s

「旅人のうた」1コーラスのみ【限定公開】

443Hz+10centに調整したシリウスS-56C
http://youtu.be/NL10Kjsik80?t=28s


上の動画を聴き比べるとおわかりいただけると思うのですが、私の吹き方ですと442Hzチューニングでもおそらく問題はありません。
数名の信頼できるプロ奏者の方にも聴き比べていただいており、問題があるという意見の方はいらっしゃらなかったのですが、お一人だけ「おかしくはないけれど、442Hzの方はやや伴奏に埋もれて聞こえる」とおっしゃっていました。 これに関しては後述します。
私も複合ビブラート(特にこの場合、ピッチが変化するベンドビブラートがポイント)は多少使いますが、リードに圧をかけないで吹くタイプなのでピッチの変化が少なかったのだと思います。なので、逆にしっかりめに息を吹き込むタイプの方の場合はピッチが下がって違和感が出てくるのではないかと思います。 また、サブトーン奏法を使う場合も、多少なりとも影響してくると思います。
そして、クロス配列とストレート配列(ショートストローク)でも、吹き方次第でピッチの差は出ると思います。特に息をしっかり吹き込むタイプの場合、ストレート配列にするだけでクロス配列のときよりもピッチが下がったというのは実際にある話だそうです。ストレート配列の方が穴が小さいので、その分リードへの圧がかかりやすくなるからではないかと思います。今回の場合は、前述の通りいずれもクロス配列のモデルです。

では、私のようにリードに圧をかけないタイプであれば442Hzチューニングで100%問題がないのかと言うと、そうでもないと私は思っています。
一番の問題は、ライブのときにその会場にあるピアノのチューニングが高めに設定してあった場合の対処です。
基本的にはピアノは442Hzですが、会場によっては高めに設定してある場合があるそうです。
クロマチック・ハーモニカは、基本的にピッチは下げることができても上げることはできません。私も、対策としてライブ会場にメインのファビュラスだけでなく予備でSuper64を必ず持参しており、将来的にはシリウスを1台購入して443Hz+10centチューニングにしておくことも検討しています。(ファビュラスをもう1台買うのはサスガに厳しいので…。性格の似ているシリウスで代用、というわけです、、。)
あと、ハーモニカは楽器の特性上フロント楽器になることが多いと思いますが、フロントが他の楽器よりもピッチがわずかでも低いと、埋もれたような印象を与えてしまうようです。
逆に、少しばかり高くとも違和感はほとんどないようで、前に出ると言いますか、少し目立つような印象を与えます。
個人的には、私の吹き方の場合は442Hzチューニングの方が他の楽器との馴染みがよいと感じていますし、実際先日のライブでも複数の愛好家のお客様から同じ意見を頂戴していました。しかしながら、状況によってはリスクもあるので、前述のように対策を立てながらファビュラスを愛用しています。

もともと、限定公開の音源はブログで紹介するつもりはまったくありませんでした。しかしながら、関心を持たれている方もいらっしゃることと思い、愛好家のみなさまのお役に少しでも立つことができればと思って紹介させていただくことを決めました。
今は443Hz+10centチューニングのシリウスは生徒さんにお譲りして手元になく、現状では新規で吹き比べ音源を作成することができませんので、申し訳ございませんがリクエスト等にはお答えすることはできませんのでご了承ください。
愛好家のみなさまには、ご自身の目指しておられる音色、音楽がそれぞれおありだと思うので、ご自身に合った機種やチューニングの楽器を選んでいただき、みなさまのハーモニカライフがよりよいものになりますよう願っております。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。