昔の音源を聴いてみた
生徒さんのレッスンの参考になればと思い、私自身が13年前に演奏した音源をかなり久しぶりに聴いてみました。
最初の音源はハーモニカをはじめて3ヶ月後の2001年6月で、曲目は「ふるさと」。
まぁ、ありえないところでのミスが連発で苦笑いだったのですが、講師となった今、客観的に聴いてみるといくつか発見もありました。
やりはじめると夢中になるタイプなので、楽器経験皆無から3ヶ月であのテキストの半分を終えて曲が仕上がるというのはかなり早かったなぁと、今になると思います。(早ければいいというものではありません。)
それ以上に印象的だったのは、音色がとても安定していること。
「ふるさと」にはじまり、「見上げてごらん夜の星を」「ひまわり」「いい日旅立ち」。そして、ハーモニカ歴半年で迎えた初めての発表会での「I Love You」までをざっと聴いてみました。
(特に最初の3曲は、T教室一門の方でしたらかなりの方が一度は取り組まれている曲なのではないかと思います。懐かしいですね!)
おそらく、最初の頃に先生から、吹き吸いで口の中の形を変えないように、と教えていただいていたと思うので、それを忠実に守りセルフチェックを常にしていたのだと思います。
それに加えて、それ以前に声帯結節というのどの病気の治療のために腹式呼吸を医療機関で学んでいたことや、当時テニスで腹筋や背筋がすでに鍛えられしなやかに使うことができていたことなでもあるのかも??!しれません。
発表会での「I Love You」では、ときどきベンドやビブラートを使おうとしている様子がうかがわれました。先生から、まずは譜面に書き込んで実行していくように、と教えていただいていたので、このときもベンドやビブラートを入れる箇所に印をつけていたと思います。
ただ、今聴くとまだまだ甘いし、その箇所は限られていました。
それよりも、この演奏を今の私が、”ハーモニカ歴半年のある愛好家が吹いている”と思うと、音色が安定していて音が太かったことがスゴいなと思いました。
ときどき生徒さんから、演奏に表情をつけるにはどうしたらよいですか?とご質問をいただきます。
この質問をしてこられる方の中には、口先だけで表情をつけようとされる傾向にある方が多いように思います。
なので、まずは音の幅を一定に、口先ではなく常に腰から音を出し、一音一音に何かしようとするのではなく曲全体からダイナミクスをつけること、とアドバイスさせていただきます。
それができるようになってきたら、今度は決めたところでベンドやビブラートを入れていくとよいかと思います。
今の私の場合は一音一音にかる~いベンド(フェイク)を入れるなどもしていて、ある程度以上のポピュラー系奏者の大半がそうだと思うのですが、これは腰での支えがあってこそ生きる技だと思います。
音色がしっかり安定していれば、これらの技がなくとも十分よい演奏はできると思いますし、奏法を入れるかどうかはあくまで好みの問題だと思います。
口先で何かすることは簡単かもしれませんが、やはり土台が大事なのではないかと思います。
土台を築くには時間がかかるかもしれませんが、それを身につけることができたら、これから続くであろう長いハーモニカ人生の良きパートナーとなってくれると思います。
注)レッスンに通われている方は、先生のご指導の下で練習に励んでください。独学の方におかれましても、あくまで参考とし、ご自身にあった方法で練習を進めてくださいますよう、お願いいたします。