ある初心者の生徒さん、低音の吸い音が出ず悩んでおられたので、下顎を下げてみる(上下前歯の間を約1cmほど開けてみる、タコの口を崩さない範囲内で軽く口を開ける)ように等何度かアドバイスさせていただいていましたが、ふと先日その意味がわかったとのこと。
それまで、聞いてはいたけれど吸うという行為に気が行っていて、口の中の空間を広げることで楽に音が出るということがイメージできず、ついつい力まかせに吸ってしまっていたとのことでした。

いくつか脳科学に関する著書を読んだことがあるのですが、先入観が強いとそれに相反する情報を受け付けないという性質が脳にはあるとのことです。反対に、興味のあることについては敏感になれるようです。
例えば、何気なく街を歩いていて「ハーモニカ」と書いた看板なりポスターなどがあると、愛好家の私たちは注意深く探さなくても見つけられると思います。たくさんの情報から、興味のあるものを無意識的に見つけ出すことのできる能力があるのです。

吸いの低音に関しては、「力まないで」「少し顎を下げる」、あと、舌の微妙な位置などのアドバイスでたいていはその場で改善傾向がみられます。
ごく稀に、すぐ結果が出ず少し時間のかかる方がおられるのですが、もしかしたらこの脳の性質によるものかもしれません。
今後のレッスンに、とても参考になる話でした。

あと、少し話はそれますが、レッスンでのアドバイスは必ずその場でメモを取り、できればその日のうちに復習することをおすすめします。
今回の方はちゃんと覚えておられましたが、意外に忘れておられる方が多いです。私はアドバイスしたことはほぼ必ず進捗表に記入するのですが、言っているはずのことをはじめて聞いた、という反応をされることがけっこうあります。(逆に私も同じこと何度も言っていることがあるとは思うのですが…)
ちょっとしたことですが、上達の秘訣です。